創作の場を安全なものにするための指針

はじめに

演劇集団シベリア基地(以下:当団体)は、創作の場がハラスメントの無い、参加者全員にとって安心して活動できる環境であることが必要だと考えています。それにあたり、当団体は本文書を作成し、劇団としてのスタンスを明文化するとともに、今後、創作を始める前にこの指針を参加者全員と共有することにしました。なお、ここでいう創作の場とは、稽古場・劇場・ワークショップ・オーディション・劇団員同士やキャスト、スタッフとの話し合いなど、創作に関わる全ての場を指します。

ハラスメントとは

ハラスメントとは、個人の尊厳や人権が脅かされる行為を指し、創造の場では、それによって安心安全な創作環境が脅かされたり、心身が危険に晒され個人の生活が損なわれたりするもの。

舞台芸術におけるハラスメント防止ガイドブック ver1.5より

[業務上必要な指導・注意とハラスメントの違い]

▽業務上必要な指導・注意にあたる場合

  • 仕込み中に注意散漫でパネルを倒しそうになった人に対し「集中しろ!」ととっさに強い口調で言う。

▽ハラスメントにあたる場合

  • 上記のミスをその後もしつこく指摘し、威圧的言動を繰り返す。
  • 上記のミスを注意する際に「これだから男/女は」「今まで何を学んできたんだ」などと、その人の属性やキャリアを否定する発言をする。

▽「ハラスメント」を判断する基準

  • 不快にさせる発言・行為を繰り返し行う。
  • 相手の属性(明日変えろと言われて変えられるようなものではないもの)や人格・キャリアを否定する。

吉祥寺シアターハラスメント防止ガイドラインより抜粋

ハラスメントに該当する具体的な例については公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団が策定した「ハラスメント防止 ガイドライン~ロームシアター京都に集う全ての人のために~」などもご参照ください。

演劇集団シベリア基地が守ること

演劇集団シベリア基地は創作の場を安全なものにするために以下の項目を守ります。

  1. 当団体は、創作の場における全ての人々の人格、尊厳、意見表明の機会を尊重します。
  2. 当団体は、創作の場において、いかなる暴力・差別的発言・立場の差やキャリアの差、性差を濫用したハラスメントを許しません。
  3. 当団体は、安全な創作の場であり続けるための努力を怠りません。
  4. 当団体は、創作において必要と考える身体接触、親密な表現、暴力表現、心理的負荷の高いワークや演出を行う場合、事前に目的と内容を説明し、参加者の同意を確認します。同意はいつでも撤回ができ、それによって不利益が生じないように努めます。
  5. 当団体は、参加者の希望に応じて意見交流の場を設けます。なお、その際に相談したこと、問題提起したことを理由に参加者に不当な扱いを行いません。
  6. 本指針は私たちの学びや周囲の方々の意見なども踏まえ、都度改めていきます。
  7. 当団体は、本指針について劇団ホームページにおいて公開し、変更があった場合は改訂日を記載します。

創作の場をより良いものにするための取り組みとお願い

演劇集団シベリア基地は以下の項目をポリシーに掲げて運営を行います。
参加者はこれらを確認し、了承の上で創作へ参加してください。

  1. 各公演における初回稽古、または初回のワークショップにおいて本文書の読み合わせを行います。
  2. 参加者の創作の場におけるいかなる暴力・差別的発言・立場の差やキャリアの差、性差を濫用したハラスメントを許しません。
  3. 創作の場において、参加者全員に「提案する権利」「断る権利」があります。稽古や練習方法に不安や懸念、疑問がある場合は当団体に対して意図や目的を確認することができます。それらを確認したうえで不安や懸念が残る場合は練習やワークショップへの参加を辞退することができます。
  4. 当団体は参加者に対して必要以上の連絡は行いません。また、交流がないことを理由とした不利益が生じないように徹底します。参加者においても必要以上の連絡の取り合いは避けてください。
  5. 少人数での話し合いや稽古が必要な場合、多くの参加者が把握できる場所で相談した後、時間や場所について詳細にお伝えします。参加者も当団体の運営者がいない状態での練習は極力控え、必要な場合は必ず当団体に相談してください。
  6. 参加者は創作に必要のない身体接触を行ってはなりません。
  7. 参加者が希望する場合は、第三者の同席・見学を許可します。ただし事前に当団体までご連絡ください。

問題が起きた時の対応

  • 創作の過程で何か問題が発生した場合は当団体劇団員か、外部機関へご相談ください。また、参加者には稽古・ワークショップの初回に外部機関を紹介します。
  • 創作の場においてハラスメントの可能性がある問題が発生した場合、安全が確保できるまで創作の方法を変更、または創作を中断する可能性がございます。
  • まず相談者への聞き取りを行い、内容を確認します。その内容に応じて、相談者の意向を確認しながら必要な対応を講じます。なお、外部機関との連携が必要な場合においても、緊急性が高い場合を除き、原則として相談者の意向を確認した上で行います。
  • 相談内容及び関係者の個人情報は、対応に必要な場合を除き、本人の同意なく第三者に共有しません。ただし、生命・身体の安全確保が必要な場合など、緊急性が高い場合はこの限りではありません。
  • 問題への対応は、相談者の安全確保、尊厳の回復、創作環境の改善、再発防止を目的とします。特定の個人への攻撃や排斥を目的とするものではありません。

ご相談先

[ご連絡先]
・劇団メールアドレス:shiberiakichi@gmail.com
[外部機関]
舞台芸術関係者向け 性暴力・ハラスメント相談窓口リスト 
文化・芸能協会の心のサポートセンターMeBuki 

参考文献
  • 劇作家女子会。『持続可能な演劇のための憲章』
  • 一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク『舞台芸術におけるハラスメント防止ガイドブック(ver1.5)』
  • EGSA FAPAN『芸術分野におけるハラスメント防止ガイドライン』
  • 吉祥寺シアター『吉祥寺シアターハラスメント防止ガイドライン』
  • 公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団『ハラスメント防止 ガイドライン~ロームシアター京都に集う全ての人のために~』
  • ポケット企画『ハラスメント防止に向けたポケット企画の取り組み』
  • かるがも団地『安全な創作の場をつくるための方針』

[作成日]2026年5月1日
[公開日]2026年5月4日

演劇集団シベリア基地 一同

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