演劇集団シベリア基地 #4.5 『山月記異聞/おやすみ、ひとりぼっちに』

①山月記異聞　　脚本：森一生　　脚色：野口博人
もしもあの時、山の中で李徴に出会ったのが、友人の袁傪ではなく、彼の妻だったなら…

男は虎となった。凶暴で、残忍で、残虐な虎だった 。
女は男を追いかけた。彼を愛し、縋り、耽溺していたから。
男は語った。その心の中を。
女は求めた。その男の心を。
自尊心に狂った李徴と、彼に囚われた妻、楊朱。
これは虎と女の、晩秋の語らい。

②おやすみ、ひとりぼっちに　　脚本：平井彩華
小学校からの幼馴染である、ネガティブな日和と能天気な真子。二人は逃亡の末に、懐かしい学び舎の音楽室に逃げ込む。手には拳銃とボストンバッグ。迫る足音と束の間の休息の中、二人は取り留めもなく話し始める。